さんゆうねっと

日本酒 四季の旅。識の旅。

日本の歳時を映す日本酒。四季折々の移ろいと長い年月の中で培われてきた、お酒を巡るお話を。

文月の候

一年の半分が終わって夏本番を迎えるこの季節は、キリっと冷えたお酒が飲みたくなるものです。そこで試して頂きたいのは、原酒や大吟醸系のお酒をロックアイスとともにいただく日本酒のオンザロック。もしくは、ブルゴーニュタイプのようなワイングラスで。脚があるので温度上昇が少なく、香りが広がりやすいので、お酒の輪郭がよりわかりやすくなります。

古来より、陶器、磁器、銅器、漆器、ガラス、竹、杉や桧の枡など、日本には多種多様な酒器があります。温度の感じ方、香りの立ち方、舌の上への液面の落ち方、唇への当たり方。様々な要素によって変化を楽しめますが、特にここのところ注目を集めているのがワイングラス。味や産地によって様々な形状のワイングラスがありますが、お猪口では分りにくい酒の味が現れ、大吟醸のもつメロン・バナナ・青リンゴなどのフルーティな香りを感じるには最適と言えます。

料理との相性でも。和食に限らず、旨みを感じられる食材、例えばドライトマトやアンチョビを使った一皿や、チーズ・ヨーグルトといった乳製品の料理、また黒オリーブは醤油と近い組成を持っているので、そうした料理とともに日本酒をワイングラスで飲むと、とても相性が良くなります。

実際に、フランスやイタリアなどの星付きレストランでのデグステーション(degustation)でも、時にワインの代わりに日本酒が供されることが増えてきています。