さんゆうねっと

日本酒 四季の旅。識の旅。

日本の歳時を映す日本酒。四季折々の移ろいと長い年月の中で培われてきた、お酒を巡るお話を。

卯月の候

心躍る桜の開花から春らしい陽気へ、そして若い緑葉が映えるこの季節は、お花見、歓迎会、年度始まりなど、お酒を飲まれる機会が増える時期ですね。寒い間は「燗酒」が沁みると感じていらっしゃる方も、これからは「冷や(ひや)」で召し上がることが自然と増えると思います。

ところで、日本酒の言葉として「冷や」というと、だいたい何度ぐらいを指し示すかご存じですか?実は20度を指す言葉です。所謂「常温」ですね。では、これより冷たくなるとどう呼ばれるのでしょう。実は、日本酒には昔からだいたい5度刻みで温度を現わす言葉が充てられています。

冷たい方から、雪冷え(5度)、花冷え(10度)、涼冷え(15度)。花冷えとは、正に4月、東京で夜桜を愉しむ時の温度ぐらいですね。逆に温めた方は、日向燗(30度)、人肌燗(35度)、ぬる燗(40度)、上燗(45度)、熱燗(50度)、一番高い温度が飛び切り燗(55度)となります。

今はマイナス5度ぐらいまで冷やして愉しむお酒も出てくるなど、日本酒の魅力は、温度によって変わってくる多様な味や香りを楽しめること。いつも飲まれている銘柄でも、温度を変えることで、合わせたい料理との相性にも新たな発見がありますよ。